リスクアセスメントの落とし穴




落とし穴にはまるな!

”落とし穴”は旧BS8800(OHSMSのためのガイド)の附属書Dで使われている言葉です。
その抜粋は次の通りです。

【旧BS8800附属書Dより】

官僚主義的な押し付けであると思いながら実行された、計画上欠陥のあるリスクアセスメントは、時間の無駄であり、何も変えられない。さらには、リスクアセスメントの様式を埋めること自体が目的になる場合、その組織は、細部において泥沼にはまりこむ場合がある。リスクアセスメントは、処置の一覧表を提供すべきであり、かつ管理手段を実行するための基礎を作るべきである。

リスクについて厳密な数値計算を行うことは、一般に必要ない。リスクアセスメントに対し、定量化された、複雑な方法が要求されるのは、通常、失敗の結果が大惨事にいたる場合のみである。
大きな危険源のある産業におけるリスクアセスメントは他の職場で要求される手法に関連するが、ほとんどの組織においては、非常に単純な主観的方法が適当である。
 

ISO14001において多くの組織が陥った”落とし穴”に、今、OHSMSのリスクアセスメントでもはまりそうになっています。

ISO14001の経験を思い出してください。

難解な計算式を用い、環境影響を評価しましたが、やればやるほど矛盾に陥った経験を多くの方々が有している筈です。

例えば、二酸化炭素の排出が3点、騒音の発生が2点、重油が3000リットル以上で5点、1500以上なら4点と計算したところで、科学的にも何の根拠もないのです。

それなのにどれだけの時間を費やしたこか・・・




リスクアセスメントの落とし穴にはまる典型例

  1. 事務局が他社の事例を参考に複雑な算出式を考案し、各部門に実施を依頼する。
2. 各部門は、指示に従いアセスメントするものの、方法や評価が良く分からずに取りあえず作成し、事務局に提出する。
3. 事務局は、各部門から提出されたアセスメントを確認するとバラツキが大きくて収拾が付かず愕然とする。
4. 事務局は、アセスメントの手法を見直しの上、再度、各部門に見直しを依頼する。
5. 各部門は、再度、アセスメントを繰り返さなければならないことに腹を立てつつも再提出する。
6. 事務局は、再び、各部門のレベル合わせに四苦八苦する。
落とし穴に陥り・・・・



スムーズなリスクアセスメントの進め方

  1. 安全衛生の専門家、機械装置の専門家、各部門の代表者から構成されるリスクアセスメントのプロジェクトを結成する。
2. プロジェクトによりリスクアセスメントの手法を決定するが簡単な手法とする。
3. 代表的なラインを選定し、リスクアセスメントを施行する。
4. 施行の結果を受けてリスクアセスメント手法を確定する。
5. 事務局は、各部門のリスクアセスメント担当者を集めてトレーニングを提供する。
6. トレーニングを受けた担当者と実際に作業に従事している方、そしてプロジェクトメンバーが一人以上参加の上、リスクアセスメントを実施する。
7. 各部門のリスクアセスメントを回収し、プロジェクトメンバーにより再確認する。

 まとめますと、ポイントは次のとおりです。

   リスクアセスメントは主観的で良いので単純な手法を採用する。
   実作業従事者、監督者、安全衛生・生産技術等の専門家が参加して実施する。
   モデルラインを定めて実施し、それを水平展開する。

 何よりも重要なことは実際の作業を良く見て机上の空論とならないようにすることです。




アセスメントの評価

アセスメントの評価は次の程度でも十分です。

重大性
些細 軽微 中程度 重大
赤チン 不休災害 休業災害 死亡・重大
可能性 極まれ 数年に1回 些細 許容可能 中程度 重大
まれ 年に1回 許容可能 中程度 重大 耐えられない
頻繁 月に1回 中程度 重大 耐えられない 耐えられない

前述のとおり、数値化しても良いのですが、数値化してもリスクアセスメントの精度が上がるわけではないことを忘れないでください。




リスクアセスメントの7ステップ

リスクアセスメントの最大のテーマは、受容できないリスクに対してリスク管理策を講じることです。

リスクアセスメントのプロセスは下図の通りですが、多くの組織はリスクの評価には熱心ですが、リスクの管理策になると陳腐化してしまいます。

「リスクアセスメントは軽く、管理策は重く」を意識してください。


           





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