災害に学ぶOSHMS



実際の災害・事故を解説し、ベストプラクティスを紹介
事例 塩酸タンク:作業員2人死亡 上部から転落
解説者 環境ワークス㈱ 代表取締役 黒崎由行
(OHSAS18001主任審査員)
(2011/9/7)

        事例:塩酸タンク:作業員2人死亡 上部から転落         


24日午前9時半ごろ、千葉県船橋市の金属製品製造会社から、「作業員2人が塩酸収納タンクに転落した」と119番があった。タンク内の塩酸を抜き取った後に救急隊員が救出したが、約2時間半後に2人の死亡が確認された。同県警船橋署が転落原因を調べている。

同製造所によると、2人は配管工事会社(埼玉県吉川市)の作業員の可能性がある。遺体の傷みが激しく、同署は司法解剖などを行い身元の確認にあたるという。

同署や同製造所などによると、タンクは強化プラスチック製で高さ約5メートル、直径約3メートルで、濃度約35%の塩酸約4.7トンが入っていた。

2人はこの日午前8時ごろから作業を始め、タンク上部に作業員1人が乗っていたところ、上部が割れてタンク内に転落。助けようとした別の作業員も転落したという。上部に縦横約1~2メートルの穴が開いていた。

塩酸は鉄のさび落とし用に保管されていた。タンク上部は人が乗って作業することが想定された構造になっていないという。同製造所は「タンクの上部に乗る作業は今回は予定されていなかった」としている。

(2011/8/24毎日新聞)


解説
最近の労働災害の中でも最も悲惨な労災と言えるでしょう。

別の記事では次のような記述もありました。

「2人はこの日、午前8時すぎから、他の1人とタンクの配管工事の下見作業をしていた。」

「製造所によると、タンク内には、鋼板のメッキに使う塩酸約7トンが入っていた。作業前には現場責任者がタンクに上らないよう安全指導したという。」


この悲惨な災害には、”FRPの劣化”以外に二つの大きな教訓があると考えます。

一つ目は、この作業が「下見」であったこと。
これが「工事」であったら、より厳重な工事管理や養生がされていたことが予想されます。

下見中の災害としては、営業担当者が見積のための現場下見中に転落するなど、施工担当者以外の要員の事例もあります。

「下見だから大したリスクはない」と考えたら大間違いです。


もう一つの教訓は、「作業前には現場責任者がタンクに上らないよう安全指導した」という点です。

口頭だったのか、文書として残っているのか、は発注者の責任を考える上でとても大きな差となります。

発注者の責任を全うするためにも事前の文書による注意事項の伝達が重要になります。

工事業者の管理に最大限の注意を払いたいものです。


ベストプラクティス
以前にもお伝えしましたが、危険作業許可制度HWP(Hazardous Work Permit)は重要です。

米国の某大学の非定常作業・危険作業許可プロセスフローを紹介します。


      
           
(HWP:Hazardous Work Permit 危険作業許可)






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